開業したい
医院開業 成功事例 ひろみこどもクリニック(愛知県)
継承開業後に大切なこと

今回お話を伺うドクターは、小児科医としてのキャリアを持ち、2003年8月に愛知県犬山市にて第三者継承開業された「ひろみこどもクリニック」の荻野院長です。
ひろみこどもクリニック 院長 荻野 弘美 氏
院長 荻野弘美 氏
昭和60年 名古屋市立大学医学部卒業
同小児科医局入局
昭和61年 厚生連渥美病院小児科勤務
平成2年 名古屋市立城北病院勤務
平成15年 ひろみこどもクリニック開業

【所属学会・認定医】
日本小児科学会
日本アレルギー学会
日本小児アレルギー学会
日本小児科学会小児科専門医
日本アレルギー学会専門医

−−: まずは「ひろみこどもクリニック」の概要を教えてください。
荻野: 当医院は、小児科とアレルギー科を標榜しており、一般診療のほかにも、お母様方の育児相談などにも応じられるように時間枠を設けています。
院内は、こども達が安心して診療を受けられるように、やさしくて楽しい雰囲気をつくるように心がけています。

−−: 開業を考え始めたきっかけはなんでしたか?
荻野: 大きく3つあります。まず、以前勤めていた病院が非常に忙しく、NICUの当直が週に4、5回あり、だんだん体力的にきつくなって、このまま続けていく自信がなくなったということ。
そして、外来で患者さんともう少し親密な関係を持った診療を行いたかったのですが、叶わなかったということ。
最後に、同じ小児科のドクターで仕事量の差があっても具体的な評価がされなかったということが挙げられます。


−−: 具体的に開業を決断したきっかけを教えてください。
荻野: 一番親しくしていた外来の看護主任さんから、「先生開業したら?」という言葉をかけられ、その言葉に背中を押された感じで決めました。


−−: 多忙な生活の中で、開業を決断するのは大変勇気のいることだと思いますが、開業を決断したときの心境を教えてください。
荻野: まずは開業の決意を大学の医局長に受諾してもらえるかということが不安でした。
それから、開業という未知の世界に対する漠然とした不安もありましたが、やはりひとりで診療していかなければいけない、すぐ相談できる仲間が近くにいないというのが一番不安な点でした。

−−: 開業形態として第三者継承開業を選択された経緯を教えてください。
荻野: 開業を決めてから自分でも土地を探していたのですが、出入りの業者さんにも相談しておりまして、その時たまたま総合メディカルの山崎さんをご紹介いただき、継承物件の話を伺って興味を覚えました。

総合メディカル DtoD事業統括 山崎浩二

Q.荻野院長の第一印象
山崎:私どもが開業支援を行うとき、さまざまな協力会社様がいらっしゃいます。その中でも、医薬品の卸会社さんから荻野先生をご紹介いただいたのがきっかけです。
Q.今回の開業支援の経緯
山崎:先生はお会いした当時、公的病院にお勤めで、非常に多忙な生活を送っていらっしゃいました。そのことから「時間の余裕」という点と、「開業に関するリスクをなるべく抑えたい」というご要望を承りました。また、先生のご出身である犬山市という地元に貢献できるように、かつ、腰をすえて自分の医療を行いたいとのことでした。
Q.今回の開業支援を振り返って
山崎:開業に関しては「資金的なリスク」と「実際に患者さんが来られるか」という2つの大きなリスクがあると思います。
今回、私どもは、資金面の融資というリスクをカバーし、もともとが継承開業だったので、患者さんがある程度見込めるというリスクヘッジも同時に行わせていただきました。
基本的にはご支援の内容は、非常にスムーズに行きました。ただ一つ残念だったことは、内覧会を継承開業ということもあり、実施しませんでした。
ところが、いざ開業してみるといらっしゃった患者様から「ここに小児科があったんだ」という感想を非常に多く承りました。
その反省を踏まえて、地元のミニコミ誌に、タイアップ取材の申し込みをしたところ、地域の方々の認知も一層深まり、さらに、ミニコミ誌からも非常に評価いただきました。その後半年程度にわたって先生のコラムが連載されたという嬉しい出来事もありました。
荻野先生の開業のお手伝いができたということと、犬山市という小児科の少ない地域に小児科の開業のお手伝いができたということが非常に大きな喜びであり、私にとっても誇りに思える事例です。

−−: 実際に準備を進めていく中で困ったことなどはありましたか?
荻野: 開業は何しろ初めてですので、届出とか資金の面など細かなことは総合メディカルさんにお任せしました。開業直前まで勤務しておりましたので、仕事をしながら開業の準備を進めていくことが、体力的にも精神的にもかなりきつかったです。


−−: 継承開業のメリット、デメリットについて、どのようなことが挙げられますか?
荻野: メリットとしては、まず資金面です。新規開業と比べると半分以下の資金に抑えることができました。
デメリットとしては、建物ができあがっていてレイアウトも決まっていますので、自分の希望通りのつくりが100%できなかったことです。
それと前の先生のイメージがまだ残っていますので、そのなかで自分の新しいイメージをいかに出していくかということが大変でした。


−−: 開業オープン直前の心境を教えてください。
荻野: やれることは全てやりましたが、どのくらいの患者さんが来てくれるかという期待と不安や、うまく業務がまわっていくのかという不安もありました。 いざフタを開けてみたら、患者さんの数が意外と伸びなくて、現実は厳しいものだと思いました。


−−: 開業されて約3年が経ちますが、現在の状況はいかがでしょうか?
荻野: 損益分岐点に達するまでの1年半は不安との戦いでしたが、何とかしなければいけないと思い、まずは総合メディカルさんに協力していただいて認知度を高めるために広報活動を行いました。
また、質を落とさないために一人ひとりの患者さんに丁寧な診療を行うように心がけたり、スタッフと一丸となって患者さんが来やすい雰囲気づくりを行いました。
いろいろやっていくなかでやりがいを感じて、今となっては初年度の5倍ほどの患者さんに来ていただいております。

−−: それでは最後に、このインタビューをご覧になっている先生方のなかには開業について大変悩まれている先生も多くいらっしゃると思います。そうした先生方に向けて応援のメッセージをお願いします。
荻野: 私の場合は、開業してからの1年ほどは本当に大変だったのですが、地道に前向きにやってきて周りの人に助けられて、その結果、今のやりがいや充実に結びついていると思います。