開業したい
医院開業 成功事例 かとう整形外科(熊本県)
開業前準備が成功への鍵

本日お話をお伺いするドクターは、整形外科医としてのキャリアを持ち、
2006年6月に熊本県郊外のニュータウンにて新規開業をされた先生です。

かとう整形外科 光の森 院長 加藤悌二 氏


1984年 熊本大学医学部卒業
1990年 熊本大学大学院医学研究科卒業
医学博士号取得


【職歴】
1984年 5月 熊本大学整形外科入局
1985年 1月〜12月 公立玉名中央病院勤務
1986年 1月〜3月 熊本大学整形外科勤務
1986年 4月〜1990年 3月 熊本大学大学院医学研究科
1990年 4月〜1994年 6月 熊本大学整形外科勤務
1994年 7月〜1995年 6月 熊本機能病院勤務
1995年 7月〜1997年10月 米国メイヨークリニック留学
Research Fellow:Microvascular Research Laboratory
1997年11月 熊本機能病院勤務
1997年12月〜1998年 2月 台湾Chung Gung Memorial Hospital留学
1998年 3月 熊本機能病院勤務
1998年 4月 〜2003年8月 熊本大学整形外科勤務
2003年 9月 独立行政法人国立病院機構
熊本再春荘病院臨床研究部長
2006年 5月 熊本再春荘病院退職
2006年 6月 かとう整形外科 光の森開業


日本整形外科学会認定医
日本リハビリテーション医学会認定臨床医

−−: すてきなクリニックですね。まずは、このクリニックの概要を教えてください。
加藤: ここは熊本市の北東部の新興の町なのですが、その雰囲気に負けないような、そしてマッチするような素敵なクリニックをつくろうと考えていました。トイレにも気を遣いましたし、待合室もいろいろ工夫してつくっています。リハビリ施設はゆったりと広くつくっており、窓も大きく開放的な雰囲気にしました。


−−: 開業を考え始めた最初の動機を教えてください。
加藤: 大学時代にはいろいろな研究をさせていただきましたし、国立病院へ出向したときには病院全体の経営や医療の流れなども十分勉強させていただきました。そんな中で、これからは自分の思うような医療ができればと思って開業を考えるようになりました。
−−: それでは開業を決断したきっかけを教えてください。
加藤: 今まで研究畑など、公立病院の役職につけていただいていたので、それを捨てて開業するというのは正直言ってなかなか選択しにくいものでした。しかし、やはりここでもうひと頑張りするのであれば、今やらないとダメだろう、と思い決断しました。年齢的なものが大きかったように思います。


■総合メディカル株式会社 熊本支店 支店長 谷川勉


Q: 加藤院長の第一印象
谷川: 最初に先生にご指定いただいた場所が居酒屋だったので、ざっくばらんにお話ができる方なのかなと思いながらお会いしたところ、実際そういう方でいらっしゃいました。
ご自身が、何のために開業するのか、というようなことを熱心に語っていただきましたので、この先生のために精一杯のお手伝いをしたいと思いました。


Q: 今回の開業支援の経緯
谷川: 当初は、複数人でオペを中心としたクリニックをやっていきたいというようにおっしゃっていました。ただ、現実的にはあまり成功しない例が多いように私としては感じていましたので、お一人でオペを中心とした整形外科のクリニックをやりましょうという結論に至りました。そこから、不動産の選定、設計・施工、融資・資金調達の計画、ほぼ全てのことに対してお手伝いさせていただくことができました。


Q: 開業支援中苦労したこと
谷川: やはり開業となるとご家族の方のご意見であったり、物事をきちんと整理して調整していくという点には気を遣いました。また、先生のアイデアを十分に取り入れて、なおかつ、事業計画を予算内で納めることに一番苦労しましたね。


Q: 今回の開業支援を振り返って
谷川: 私もこの仕事を十数年やってきていますが、これほど順調にいっているクリニックは初めてです。 まず一番の要因はいうまでもありませんが、院長先生の医師としてのスキルであり、患者さんに対する対応力といいますかキャラクターであり、また、それを支えるスタッフの方々、事務長である奥さまも含めてバックアップ体制ができていらっしゃるということですね。
それに加えて、開院前から積極的に広報活動をやってきました。当社の設計の分野で、H.I.S.(=ホスピタル・アイデンティティ・システム)という手法がありますが、先生の開業されてからの理念、あるいは先生のイメージ、クリニックに対するイメージ、これらを一つに統一化したモデルをつくりまして、対外的に発信していく。これも立ち上がりにあまり苦労をしなかった手助けの一つになっているのではないかと思います。



開業決断からオープンまで
−−: 開業を決断したとき、不安などはありましたか?
加藤: 非常に不安はありました。開業したときに、患者様や付き合いのある看護師さんたち、そして先輩後輩のお医者さんたちがどれくらいサポートしてくれるのか、全くわかりませんでしたから。
また、実際自分の能力を他人に評価されたことがないので、「自分の能力は一体どれくらいのものなのだろうか」ということに関して強い不安がありました。

−−: 実際に開業の準備を進めていくなかで、困ったことや障害となったことがありましたら教えてください。

加藤: 開業したいと思ったのはいいのですが、「何から始めればいいのかわからない」「誰に相談すればいいのかもわからない」という状況でした。幸い私の場合は総合メディカルさんにまず相談して、いろいろな話を聞かせてもらったので、非常によかったと思っています。
−−: 開業オープン直前の心境をお聞かせください。
加藤: 開業するということにかなり不安があったので、患者様一人ひとりに、「もしかすると独立するかもしれない。」というお話をして、開業前にはお手紙を出させていただきました。そういった努力というのは絶対必要だろうと思います。
−−: 開業当日、診療を終えた後の感想をお聞かせください。
加藤: 朝、病院の玄関を開けるときはすごくドキドキしました。幸い57人の患者さんに来ていただいて、結局仕事をまとめ終わったのが夜の10時か11時ぐらいまでになりましたから、感慨に浸るような時間がないまま初日が終わりました。
−−: 開業をされて半年が経ちますが、現在の状況をお聞かせください。
加藤: これからも一つ一つ病気について、丁寧に説明していきたい。納得しないと治療というのはなかなか難しいので、「あそこにいけばゆっくり話を聞いてくれて、病気のことをたっぷり説明してくれる」といったクリニックにしたいと考えています。
−−: それでは最後に、このインタビューをごらんになっている先生は開業について大変悩まれている方も多くいらっしゃると思います。その先生方に向けて応援のメッセージをお願いします。
加藤: 大学の研究や臨床のなかで切磋琢磨して頑張っていらっしゃる先生方もおられると思いますが、臨床の場で自分の思ったように自分の力を試すというのは非常にやりがいもあるし、そこの中でも新しい勉強ができますから、そういった環境で努力をすることも非常に楽しいです。
勤務医なり、大学の研究室なり、一つの世界でやっていると隣の世界というのがなかなか見えませんが、隣の世界の方が広かったり、自分に合っていたりすることがあるかもしれません。そこのところを冷静に考えられるといいのではないかと思います。