転職したい
経営者インタビュー 医療法人白十字会(福岡県)
慢性期医療・予防医学に興味のある先生必見

今回は、慢性期医療の今後と、魅力的な医師報酬のシステムについて、富永雅也理事長に語っていただいた。 第1回の記事はこちら
第2回の記事はこちら

慢性期医療の現場研修について
老年医学講座や予防医学講座などの講演会での学習
日本でも一流とされる病院へ約3から6ヶ月の国内留学(嚥下障害や尿失禁などに漸進的に取り組んでいる病院への見学や短期留学も考え中)
他の医療機関と共同で、「高齢者医療セミナー」という会を作り、嚥下障害の診断とリハ、尿失禁、鬱状態、不眠などをテーマとして勉強会を開催

やりがいのある昇給制度
やってもやらなくてもあまり給与は変わらないという病院と違って、やりがいのある評価システム。
具体的には、一定期間毎に先生の個別評価(スキルの程度、診療実績、患者さんとスタッフのアンケート評価など)により、点数化して最高4.8%の改定率を獲得できるような仕組み。
10年目には、熱心な先生の年俸は理論上5割以上上がる計算。役職手当を含めると7〜8割アップも可能。

実際この制度で働く医師のコメント
A医師(45歳、女性)消化器内視鏡医として第一線で勤務していましたが、結婚、出産を機に、検査や外来のみで週4〜5回の非常勤の仕事にかわりました。その様な働き方を続けているうちに、先端の医療技術の進歩について行くことに困難を感じるようになりました。子育てが一段落した頃、理事長から勧められて思いきって転職してみました。慢性期の医療は急性期と比べ、拘束される時間や、急な判断を求められる場面は少なく、さらに急性期とは違った意味での活躍の場があり、家庭生活も大事にしたい私のライフスタイルにあっている気がします。いつも時間に追われ、医療事故と隣り合わせのストレスの多い日々から開放されることは大きいと思います。
私にとって高齢者医療は新分野ですが、新たな興味を持って学ぶとともに、スタッフと仲良く仕事を続けていき、そして自分流ライフスタイルを実現していきたいと考えています。


■医療法人白十字会 理事長 富永雅也 氏
略 歴 昭和55年 日本医科大学卒
昭和56年 九州大学医学部第二内科入局
昭和60年 松山赤十字病院胃腸センター勤務
平成 4年 九州大学医学部第二内科助手
平成 5年 医療法人白十字会白十字病院勤務
平成11年 理事長就任 現在に至る
認 定 日本消化器内視鏡学会指導医
日本消化器病学会認定医
日本内科学会認定医
日本大腸肛門学会専門医
日本医師会認定産業医
医療法人白十字会
白十字病院
(福岡市西区)
風前の灯、慢性期医療のいい時代
−−: 急性期の病院に比べると、地方の老人病院の給与は、驚くほど高い場合があります。富永理事長にご紹介しようと話を進めていた先生が、結局、最後には年収の高い病院を選ばれたというケースもあったのですが。
富永: 人はそれぞれ価値観が違いますから、そのようなケースは仕方のないことだと思います。特に医師不足の地域では、給与を高くしなければ医師を採用できなかったという事情があったと思います。
療養病床の経営は、あまり苦労しなくてもよい時代が、これまで比較的長く続きました。しかし、今後の診療報酬改訂において、医療費抑制の矛先は療養病床に向けられているようですから、事情が一変してくるものと思われます。
−−: 急性期病床よりも先に、慢性期病床に対して医療費抑制が行われるのですか?
富永: はい。日本版RUGと言いまして、個別の症例ごとの手のかかり度や病態の改善効果を総合的に評価する制度の施行が、平成18年にも始まる予定です。
現在、療養病床ではベッド当たりの面積や廊下の幅などの基準をパスすれば、患者様の病態に無関係に定額が支払われる仕組みです。慢性期医療の現場では、自立に近い患者さんに入院してもらったほうが利益は多いので、重症の方は入院を断わられるという例もあったようです。
これでは社会的入院は減らないということで、病態に応じた支払い方法が導入されようとしています。
−−: 今より減収になる医療機関が多くなるということですか?
富永: 重症例と軽症例では1日の定額として、重症例を1とした場合、軽症例では0.5ぐらいに設定されているようですから、軽症例ばかり入院させている病院では、大打撃を被るのは避けられないと思います。だからといって、急に手のかかる患者さんを受け入れても、スタッフの能力や改善させるためのノウハウが乏しい病院では、かえって混乱するばかりだと思います。
−−: 軽症例や社会的入院が減って占床率は大きくダウンするのでしょうか?
富永: 平成17年10月から介護保険適応の療養病床の患者さんは、現在の負担額に加えて3万円強のホテルコストを徴収されることが決まっています。バランス上、医療保険適応の療養病床も同額程度の自己負担増が平成18年4月の診療報酬改訂で実施されるものと思われます。
そうなると、入院してくれる患者さんを探すのが大変になるのではないでしょうか。その上、軽症例では1日の定額が大幅に削られます。したがって、ダブルパンチで療養病床の経営は難しくなると思います。つまり、現状はよくても、数年先には療養病床担当医師の報酬は、病院によってはかなり厳しいものになると思います。
高い給与改定は自身の力で
−−: 軽症でない患者さんを受け入れ、改善させるスキルがないと、療養病床はやっていけないということですね。
富永: 今までとこれからは全く別の時代だと考えたほうがよいと思います。そこで働く先生の評価も同様です。これからは、高齢者特有のさまざまな病態を改善し、問題点を解決させるスキルのある先生と、そうでない先生とでは、大きな処遇の差が出てくるでしょう。
私どもは、スキルアップを目指す若い先生を求めているのですが、多くの病院の給与体系は年功が大いに加味されています。つまり、そのような年功序列の体系では、若い先生はいくら能力があっても、先輩医師に追いつくことができません。そこで、私どもの法人では、有能な先生には高い給与を勝ち取っていただける仕組みを構築しました。
−−: 診療報酬がマイナス改定の時代で、年俸も上がらない状況にあっては、魅力的な話ですね。
富永: はい。一定期間ごとに先生の個別評価をさせていただき、スキルの程度、診療実績、患者さんとスタッフのアンケート評価などにより点数化して、最高4.8%の改定率を獲得できるような仕組みを提案しています。
10年がたつと熱心な先生の年俸は理論上5割以上アップする計算です。役職手当を含めると7〜8割のアップになるのではないかと思います。やってもやらなくてもあまり給与は変わらないという病院と違って、やりがいのある評価システムを提示したいと考えています。
−−: この評価システムの他にスキルアップできるプログラムはありますか?
富永: まだまだこれからですが、国内留学を含め、やる気のある先生には魅力的なプログラムを用意したいと考えています。療養病床の診療が初めてでもいいのです。急性期医療に限界を感じ、疲れてしまった先生にお考えいただきたいのです。
世の中に求められている医師は、一般病床の医師像ばかりではありません。療養病床運営が厳しい変革を求められているさなかだからこそ、そこに飛躍するチャンスがあるのだと思います。私どもと一緒に頑張っていただける先生をお待ちしています。
−−: ありがとうございました。

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