転職したい
経営者インタビュー 医療法人白十字会(福岡県)
慢性期医療・予防医学に興味のある先生必見

「高齢者医を創出する」という新しい試み

「"急性期ばりばりの医師"がいるなら、"慢性期ばりばりの医師"がいてもいい」。こう断言するのは、医療法人白十字会理事長の富永雅也氏。
国民皆保険制度が始まって40年余り。その間の医療界の成長は「むしろ特異であった」と富永理事長。医療費の伸びに歯止めがかからない現在の医療政策。支えきれなくなった医療費を抑制するため、急性期医療への改革の波は怒涛のごとく押し寄せ、「将来的な急性期病床の数は、40〜50万床」と試算されている。これは、「急性期医療ニーズの量の試算」とも言い換えられる。医学教育の場で重んじられている急性期医療は、病床数に比例して、今後はそこに従事する者の数も制限されることになるだろう。
一方で、高齢化が著しい日本の社会において、高齢者医療のニーズの拡大は明白で、「高齢者を診る専門家」としての医師を求める声が日に日に増している。しかし、「高齢者の専門家」を育成する場はどうだろうか。高齢者医療については認定医制度がある。高齢者医療についての学術的な書物も数えればきりがない。だが、現場の臨床医が求めているのは、「目の前の課題についての具体的な解決策」、つまり「より臨床的な知識、技術」である。
このような現状に警鐘を鳴らし、「いい医師を取り合うのではなく、創出する」という志のもと、白十字会は地道な活動を続けている。「将来はネットワーク化して、地域全体のQOLの底上げを図りたい」と語る富永理事長。その思いと活動、そして将来の展望を語っていただいた。
■医療法人白十字会 理事長 富永雅也 氏
略 歴 昭和55年 日本医科大学卒
昭和56年 九州大学医学部第二内科入局
昭和60年 松山赤十字病院胃腸センター勤務
平成 4年 九州大学医学部第二内科助手
平成 5年 医療法人白十字会白十字病院勤務
平成11年 理事長就任 現在に至る
認 定 日本消化器内視鏡学会指導医
日本消化器病学会認定医
日本内科学会認定医
日本大腸肛門学会専門医
日本医師会認定産業医
医療法人白十字会
白十字病院
(福岡市西区)
この度、私のメッセージサイトを作りましたので、
下記バナーをクリックして、ご覧ください。
「なんとなく一般病床」はなだれを打って・・
−−: 一般病床つまり急性期の病床の将来に不安を感じていらっしゃるようですが。
富永: 平成15年の夏、全国で、一般病床は約92万床、療養病床は約34万床の届け出があったわけですが、厚生労働省の試算では、一般病床は在院日数の短縮に伴い、近い将来ほぼ半分の数で足りるのではないかといわれています。
−−: すでに何か動きがあるのですか?
富永: はい、すでにDPCが大学病院で始まり、一部の急性期病院に拡がりをみせています。
やがて、在院日数は世界各国のレベルまで短縮し、ベッドはがらがらの状態になるでしょう。「なんとなく一般病床」と届け出たベッドも、なだれを打って療養病床に転化していくでしょう。これは、ごく近い将来、起こってくるといえます。
−−: そうなると医師の働き場所がかなり狭まるということですか?
富永: 医師同士の競争は激しくなり、常にスキルアップが求められ、在院日数短縮や医療事故等でストレスだらけの毎日にならざるを得ないと思います。
求められるのは在宅復帰の阻害要因を解決する能力
−−: 療養病床は数も増え、経営も良好、こちらは安泰ということでしょうか?
富永: 今のところは平穏といえます。急性期病院を定年退職した後も求人があることから考えますと。
−−: 将来的にはここにも競争原理が働くのですか?
富永: かつては、死ぬまで面倒をみてくれる病院がいい病院でした。しかし、180日を超える長期入院患者さんの自己負担の増加に伴い、現場の医師には、在宅復帰の阻害要因を解決する能力が求められるようになってきました。例えば、嚥下障害で胃瘻や経鼻チューブが入ったままの患者さんを在宅復帰させるためのスキルを身につけた医師は、どこでも引っ張りだこです。
−−: そのようなスキルを持った医師は少ないのですか?
富永: はい。大学医局の急性期医療偏重思考が原因です。問題解決能力を自分で学んで身につけるしかないのが現状です。回復期リハ病棟は全国にたくさんできたのに、肝心のリハ専門医の養成は皆無に近い状態です。
高齢者専門医の育成に向け勉強会を重ねる
−−: 老年科をもつ大学医学部は数多くあるように思いますが。
富永: 私の知る範囲では、研究の対象が高齢者であるというだけで、診療に不可欠な高齢者の生理や特性を、臨床医として身につけさせている老年科は少ないのではないかと思います。
−−: 専門医を自らの病院で育成するしかないわけですか?
富永: 幸い賛同していただける病院が数ヶ所見つかり、専門ナースの養成を含めて協力していこうと話が進んできています。具体的には「高齢者医療セミナー」という会をつくり、嚥下障害の診断とリハ、尿失禁、鬱状態、不眠などをテーマに勉強会を重ねています。
−−: そういうスキルを身につけた医師は、そうでない医師より優遇されるのですか?
富永: 確実にそうなります。一緒に泣いてくれるだけの医師よりも、目の前の問題を解決してくれる医師のほうが、重用されるのは当然です。
特に若い先生にとっては、目先の年収の高さより、スキルを身につけられるかどうかが、病院選びの大きなポイントだと思います。

療養病床の専門医は最も需要の高い職種のひとつに
−−: 一般病床では不満を持っている勤務医の先生が多いようですが。
富永: 国や自治体立の病院では、減り続ける年収や、逆らえない医局人事、いつまでも続くサービス残業や当直で、将来に不安を覚える医師が増えてきたようです。最近の傾向として、アフター5に自由な時間を求める先生も多く見かけます。
−−: そうなると、これから療養病床の専門医は有望な選択肢のひとつになりますね?
富永: 医師といえども、自ら選んだ科が最良のものとは限りません。転職は恥ずかしいことではありません。医師という立派な社会資本を埋もれさせないためにも、今後10数年間は最も需要の高い職種のひとつと思われる療養病床の専門医に一緒にトライしてくださる若手の先生を待っています。
−−: 療養病床の専門医と同じように、予防医学の専門医も希少価値がありますか?
富永: はい。ただ、現在行われている健診のスタイルではなく、病気の相談を受けたり、アドバイスを求められたりするような、地域に責任を持つ予防医学をやりたいと思います。
−−: ありがとうございました。

このインタビューに関するお問い合わせ

●求人情報
医療法人白十字会 佐世保中央病院
医療法人白十字会 白十字病院
医療法人白十字会 燿光病院
(長崎県佐世保市) (福岡県福岡市) (長崎県佐世保市)


医療法人白十字会のインタビューについて
これまでの白十字会
インタビューページ
第1回インタビュー
第2回インタビュー
第3回インタビュー
第4回インタビュー
第5回インタビュー
第6回インタビュー
今回の第1回インタビューはいかがだったでしょうか?
よろしければアンケートにお答えください。
総合メディカルからプレゼントを進呈いたします。
また、これまでの白十字会インタビューページは左記になります。
興味がある方はどうぞご覧になってください。